大鹿村内で発生するリニア中央新幹線建設工事の残土活用で、伊那市は1日、伊那インター工業団地への残土搬出を25日から開始すると明らかにした。運搬車両が通行する松川インター大鹿線は今月上旬にも改良工事が完了し、同村からの残土搬出が本格化する。
同市商工観光部産業立地推進課によると、当初は18日の開始を予定していたが、JR東海から「周知のためにもう少し時間がほしい」との申し出があり、1週間遅らせた。
計画では、受け入れる残土は約28万立方メートル。工業団地の拡張に活用するとしている。運搬台数は21年度末ごろまで1日約100台、22年度以降は同約240台。村内の運行時間帯は午前8時から午後6時までで、日曜日と年末年始などの長期休暇は運休する。
高森町の下市田産業用地などへの運搬車両と合わせると、10月~12月の大鹿村役場前を通過する関連車両は1日計約480台となる。
また、リニア残土運搬の本格化に先立ち、松川町とJR東海は9月21日付で、町内での残土運搬車両の通行に関する確認書を締結した。7月の住民説明会で町とJRが示したルートや通行台数と通行時間、交通安全・環境対策などをまとめている。
大鹿村からの運搬車両は、松川インター大鹿線など3ルートに分散して通行し、いずれも中央道松川ICを経由して伊那市へ向かう。復路では松川ICを経由せず、中川村方面から国道153号を通行し、村に戻る。