JR東海は20日、リニア中央新幹線中央アルプストンネル萩の平・広瀬工区(7・2キロ)のうち、阿智村清内路を中心とする東側工区(萩の平、3・9キロ)で村道改良工事を開始した。同工区の準備工事の本格着手で、村道1―20号線の拡幅工事と2つの橋りょうの補修工事を進める。
同村道の拡幅では、国道256号から萩の平非常口までの区間2・8キロを、5区間に分けて工事を進める計画。このうち最も国道寄りの区間の一部と、昭和橋と深沢橋の2つの工事から始める。施工者は清水・三井住友・東急JV。
村道は現在の幅4メートルから6メートル以上に拡幅し、迂回路も設ける計画。着手した区間は約100メートルで、道路谷側を軽量盛土で拡幅し、拡幅分2メートルにはグリーンベルトを敷く。橋りょうは塗装塗り替えや伸縮装置取り替えなどをする。
20日は昭和橋で資機材を搬入。台風の影響で予定していた伐採作業はしなかった。
村道工事を巡っては9日に開かれた住民との懇談会で、住民の理解がおおむね得られたとして、村が議会と協議し、着工を了承すると判断。工事発注者の鉄道建設・運輸施設整備支援機構に伝えた。
同機構によると、今回の区間は2023年夏、昭和橋は22年冬、深沢橋は23年夏頃の工事完了を見込んでいる。村道全体の完了は未定。
今後は区間ごと説明会を開き、住民の理解を得ながら工事を進めていくとしている。
阿智村清内路ではリニア本線のトンネルが約3キロ通過し、萩の平に1カ所の非常口(斜坑)が設置される。斜坑近くの4カ所が発生土置き場候補地となっており、このうちの1つクララ沢について、JR東海は今秋以降に工事説明会を開きたいとしている。
◎写真説明:20日は資機材を搬入した