リニア中央新幹線の県内駅(飯田市上郷飯沼・座光寺)周辺整備などで移転を迫られる住民を対象に、市が整備する座光寺の移転代替地「共和地区」を巡り、市は19日夜、宅地の造成に向けた工事説明会を開いた。代替地の用地は約2500平方メートルで、全8区画。来月8日に工事着手し、来年3月の完成を目指す。
宅地造成は市が行い、希望者に売却、分譲する。
リニア用地課が提示した計画によると、1区画当たり平均約300平方メートル。耕土を深さ2.5メートルほどすきとり、大鹿村の南アルプストンネル長野工区(8.4キロ)から出た残土を埋め戻す。12月をめどに施工業者を決定し、来年1月以降に着工する予定。区画割は検討中で、申し込みの受け付けは早ければ1月に開始したいとする。
国道153号の東側付近に市道(座光寺284号)を新設し、市道に面したところを造成して分譲する。新設する市道は長さ145.9メートル、幅5.0メートル。3工区に分け、1工区は11月8日に工事着手する予定。
移転代替地を早期に整備する必要があるとして、南信州広域連合がリニア時代に向けて整備を検討する「アリーナ機能を中心とする複合施設」の対象外とみられるエリアに代替地を計画。共和地区で居住用の代替地を計画する一方、リニア本線の北側はアリーナ機能を中心とする複合施設の候補地となっている。
市は共和、「北条・丹保」(上郷飯沼)、「唐沢・宮の前」(座光寺)の3区域で移転代替地の造成を計画。うち北条・丹保は6月末までに宅地の造成が完了した。全73区画で、周辺の道路工事は来年度にかけて整備する予定。唐沢・宮の前は分譲6区画が6月末に完了し、農地を含めた代替地の完成は本年度末になる見通し。