JR東海は19日、リニア中央新幹線の自立式ガイドウェイ側壁製作保管(長野地区)工事の契約を清水建設(本社・東京都中央区)と結んだと発表した。工期は2026年3月31日まで。喬木村と高森町では製作保管ヤードの造成が進んでおり、JRは準備が整い次第着工するとしている。
ガイドウェイは、鉄道の軌道部分にあたるU字形の構造物。ガイドウェイの側面と車体に設置したコイルに電流を流して磁界を発生させ、電磁石の反発力や吸引力を使って車体を浮上、推進させる。
JR広報部によると、両方のヤードでコンクリート製のガイドウェイ側壁(約12メートル)の製作を行い保管する。今後、地元向けの工事説明会を開いた上で着手する。
喬木村の阿島堰下地区で造成中のヤード(約5・5ヘクタール)は、村内の天竜川工区と中央アルプストンネル松川工区(飯田市)の工事の残土を搬入。盛土と舗装が完了した箇所から電子部品の搬入を行っている。JR広報部は「引き続き造成を進めていく」としている。
高森町下市田のヤードは、JRからの受託事業として町が整備を進めている。大鹿村内のリニア工事で発生する残土を活用しており、現在は東側約5・7ヘクタールの用地の盛土造成と西側約4・7ヘクタールの耕土掘削を行っている。西側は東側の造成が完了次第、残土を搬入する。
町産業課によると、東側の造成は大鹿村の工事で発生する残土が想定よりも少なかったことから工事が遅れている。当初の計画では残土の搬入期間は9月までだったが「3カ月ほど遅れる可能性がある」としており、今後、松川町と大鹿村、上伊那郡中川村でつくる「発生土運搬安全対策連絡協議会」に説明する。
◎写真説明:喬木村で造成中のヤード