JR東海は15日、大鹿村内で工事を行っているリニア中央新幹線南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)について、2026年度に本線トンネル(本坑)の掘削を終えるとする見通しを示した。16年に示した当初の工程から2年遅れることになる。同日夜の村リニア連絡協議会で報告し、新たな工程を公表した。
新工程によると、除山非常口からの作業用トンネル(斜坑)の掘削を3月末までに終え、同斜坑先から品川方面への先進坑掘削に着手。本坑は26年度の掘削完了を目指す。現在は先進坑の掘削を行っている小渋川―除山斜坑の区間は25年度中に本坑を掘り終えるとした。
JRは「県道松川インター大鹿線の拡幅工事が完了し、先進坑の貫通の見通しが立ったことから変更点を示した」と説明。新工程は「現在の地山の状態が続くことが前提」と強調した。
古谷佳久担当部長は「先進坑を優先的に掘っていく」とし、本坑の着手時期は明らかにしなかった。当初示していた工程からの遅れについては、行政手続きの遅れや地質を踏まえて慎重な掘削を行ったこと、昨年7月の大雨による半年間の中断などを要因に挙げた。
一方、本坑に着手済みの伊那山地トンネル青木川工区は、25年度中に掘削を完了する予定。未契約の小渋川橋りょうは「現在設計を行っており、架設方法を検討中」とし、まとまり次第、着手するとした。