リニア中央新幹線県内駅へのアクセス道路として、県は国道153号飯田北改良、座光寺スマートインターチェンジ(SIC)と県駅をつなぐ座光寺上郷道路など3路線を整備する。このうち、新設する座光寺上郷道路は昨年7月に着工。飯田市座光寺の南信州フルーツライン(主要地方道飯島飯田線)の土曽川大橋付近では土曽川渡河部分に構造物を設ける工事が行われている。
同工事は、土曽川を渡る部分にボックスカルバートという筒状構造物での函渠(かんきょ)を設ける。現地でコンクリート打設する方式で建設しており、長さは71・5メートル。
昨年度中に仮設水路の設置や基礎工事などを終え、4月13日からコンクリート打設が始まった。ボックスカルバートの完成後は、筒の内部に土曽川用の護岸などを設け、仮設水路を撤去して現況復旧する。完了は来年9月を予定する。
座光寺上郷道路では、JR飯田線のアンダーパス工事をJR東海に委託して進めている他、小洞沢でも函渠工事を進める。また、道路予定地の広い範囲で埋蔵文化財調査が行われている。
フルーツラインとの接続部分では、埋蔵文化財調査に影響がない範囲で、橋や函渠などの工事に本年度中に入る予定。竜西一貫水路や市道橋の工事についても調整を進めている。
座光寺上郷道路では、中央道座光寺SICからリニア県駅までを結ぶ延長2・7キロとフルーツラインへの接続部分(本線500メートル、立体交差200メートル)を新設する。
リニア駅の周辺道路整備は、リニア中央新幹線の整備効果を広く県内に波及させようと2014年3月策定の「県リニア活用基本構想」に基づいて進める。
県は座光寺上郷道路の他、国道153号飯田北改良2・6キロ、リニア駅西側の東新町座光寺線(県道市場桜町線)1・4キロの整備を予定する。飯田北改良では、本年度中にも一部の工事(渡河部分の構造物設置)に着手できるよう調整を進めている。
◎写真説明:座光寺上郷道路の土曽川部分