大鹿村内のリニア中央新幹線建設工事を巡りJR東海は17日、南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)の一部区間で貫通した先進坑について、残土や資機材を運搬する工事用車両の通行を同日から始めたと明らかにした。
先進坑は、地質や湧き水の調査などを目的に本坑(本線トンネル)に並行して掘削するトンネル。南ア長野工区では約8・0キロの先進坑掘削を予定しており、小渋川非常口から本坑に接続する斜坑(作業用トンネル)の先から品川方面に掘り進めている。
昨年12月には小渋川―釜沢斜坑の区間約1600メートルが貫通。その後は先進坑内を工事用車両が通行できるように舗装などを行っていた。
JR広報部によると、除山非常口や釜沢非常口から発生した残土、仮置きしている残土の運搬に活用し、先進坑を通って小渋川非常口から村外に搬出する。釜沢地区まで県道を通行していた資機材運搬車も今後は先進坑内を通行する。
村役場前を通行する工事用車両は1~3月の間、日平均で往復520台。4月以降は同820台となるとしている。