大鹿村内で発生するリニア中央新幹線建設工事の残土活用でJR東海は25日、伊那市への搬出を開始した。通行する県道松川インター大鹿線の拡幅改良工事が9月までに完了。31日までは試験走行期間とし、来月に同村からの残土搬出が本格化する。
伊那インター工業団地の拡張事業で、伊那市は残土約28万立方メートルを活用し、土地の造成を行う。JRの計画では2023年度末までの運搬を予定している。
1日あたりの運搬車両の通行台数は、31日まで片道約20台。その後は本年度末まで同約50台、22年度以降は同約120台となる。運行時間帯は大鹿村内が午前8時から午後6時まで、松川町内は午前8時半から午後5時まで。日曜日と年末年始などの長期休暇は運休する。
大鹿村からの運搬車両は、県道松川インター大鹿線、町道洞新線と護岸線、古町境の沢線の3ルートに分散して通行。いずれも東浦交差点を経由して松川ICへ向かう。
復路では中川村方面から国道153号を通り、鶴部交差点で町道鶴部線、洞新線、松川インター大鹿線の3ルートに分岐して大鹿村を目指す。
高森町への運搬車両と合わせると、12月までの大鹿村役場前を往復する関連車両は、1日計で平均480台を見込んでいる。
◎写真説明:リニア残土を運搬する工事車両(松川インター大鹿線)