【阿智村】清内路地区でリニア残土処分巡り懇談会 専門家を招き講演や質問

リニア中央新幹線

[ 2023年 3月 4日 土曜日 20時43分 ]

 阿智村は2日、リニア発生土置き場の候補地となっている清内路のクララ沢について、専門家を招いた講演会と懇談会を同地区で開いた。岐阜大の沢田和秀教授と村田芳信客員教授の2人を招き、住民約60人が参加。住民は盛り土の安全性や効果を尋ね、沢田教授は管理の重要性を指摘した。

 沢田教授らは昨年4月にクララ沢を視察。村はJR東海に要望書や質問事項を提出した際にも2人に見解を聞き、安全性の検討を進めてきた。今回の講演会は住民の要望で実施した。

 沢田教授は、自身が関わった静岡県熱海市の土石流災害の調査を踏まえ、雨だけでなく地下水の存在を把握しておく必要性を指摘。クララ沢は水が地中に隠れている箇所もあるとし、「土に入った水が出ていく状態を長く保てる設計になっているかが安全性判断の一つだ」とした。

 懇談会では、住民が想定外降雨時に排水管がつまる危険性を質問。沢田教授は「想定外の時の管理方法をJRと確認し合うことが大切」とし、「盛り土に加え周辺の点検もしてもらい、住民も水量などを見守り、JRに対応してもらえる関係づくりを進めて」と述べた。

 また、「JRが取得した用地以外の集水面積についても、観察や点検をしてもらうのが良い」とし、「同規模の盛り土で過去に崩れた事例は」との問いには「きちんと設計され、適正に管理されている盛り土が崩落した事例は経験がない」とした。

 「今回盛り土をする場合としない場合は将来どちらが安全か」と質問が上がり、沢田教授は「クララ沢は“若い”沢で、今後も災害が起きやすい」とし、「盛り土をしてJRが恒久的に管理することで、土砂災害の緩和や道路や黒川、生活域への危険の軽減にはなる。管理についてもきちんと約束するまでが設計だ」と述べた。

 村は今回の講演会や懇談会を踏まえた上で、15日にJR東海による住民説明会を開く。

◎写真説明:専門家を招いて開いた講演会(清中プラザで)

  

関連の注目記事

powered by weblio


  

Sponsored Link

     

最近の記事

【飯田市】JAみなみ信州担い手就農研修制度の修了式 4期生4人が独立就農へ

3月24日金曜日15:21

【高森町】みつば保育園、民営化に伴う閉園式「多くの子どもたちを見守り、育ててくれた」

3月24日金曜日15:26

【飯田市・下伊那】統一地方選前半・県議選告示まで残り1週間 候補6人が激戦を繰り広げる

3月23日木曜日15:14

【飯田市】「大宮通り桜並木」のソメイヨシノ、昨年より8日早い開花宣言

3月23日木曜日15:08

【飯田市】ツアー・オブ・ジャパンのプレイベントとなる自転車レース「信州飯田クロスレース」開催

3月22日水曜日15:57

【飯田市】飯田市公民館が本年度の高校生講座「東北スタディツアー」の報告会

3月22日水曜日15:31

グリムスパンキー ニュース 2023.03.19.

3月21日火曜日20:19

【飯田市】天龍峡のソメイヨシノが開花 4月に「名勝天龍峡温泉 天龍峡花祭り」も開催

3月21日火曜日13:13

【阿智村】満蒙記念館展示会にあわせ作者の王希奇さんと加藤登紀子さん対談「引き揚げ者の物語感じて」

3月21日火曜日13:40

【阿智村】満蒙開拓平和記念館で「一九四六」展示会 引き揚げ者の姿を描いた全長20メートルの巨大絵画

3月21日火曜日13:59

【高森町】吉田神社で春季祈年祭 4年ぶり獅子舞など伝統芸能を奉納

3月20日月曜日15:18

【下伊那】松川町・阿智村・下條村による「合同人財育成事業」の住民研修講座発表会

3月20日月曜日15:45

【飯田市・下伊那】広域連合がご当地ナンバー「南信州」導入申請へ

3月18日土曜日13:37

【飯田市】リニア中央新幹線「風越山トンネル上郷工区」に関する説明会

3月18日土曜日13:24

【飯田市・下伊那】信州大学新学部誘致推進協議会が会津若松市を視察

3月17日金曜日16:41




南信州新聞の購読はこちら

記事の検索はこちらから






印刷について

出版物について

工場見学について

公式Twitter

公式フェイスブック

RSS




南信州飯田観光ガイド2023春夏

三遠南信biz

南信州企業ナビ

グリムスパンキーニュース

南信州電子版購読

スポンサーリンク

ふるさと納税でもらえる 南信州新聞 ふるさと納税でもらえる 南信州新聞