リニア中央新幹線建設促進飯伊地区期成同盟会と三遠南信道路建設促進南信地域期成同盟会は10日、合同の定期総会を飯田市内で開き、統一決議を拍手で採択した。県や三遠南信地域の一体的な発展を目指す上でも重要な社会基盤とし、リニアは東京―名古屋間の早期開業を、三遠南信道は早期整備をそれぞれ目指すとした。
新型コロナウイルスの影響で2021と22年度は書面決議しており、対面開催は3年ぶり。
冒頭あいさつで、両同盟会副会長の下平喜隆・下伊那郡町村会長(豊丘村長)は「JR東海は地域のさまざまな声に真摯に耳を傾け、生活環境に対して配慮するとともに安全安心な工事を従前に増して進めるように」と願い、リニアの整備効果を最大限に生かせるよう着実な事業推進に期待した。
両同盟会ともに22年度事業報告と決算報告、23年度事業計画案と予算案をいずれも原案通り承認した。リニア期成同盟会の事業計画にはリニア計画への関心・理解を深めるための啓発活動を盛り「関係機関との連携を強化しながら関係団体や飯伊地区住民と一丸となって取り組む」とした。
総会後は関連事業を含め、事業主体から整備状況について報告があった。
県飯田建設事務所によると、リニア関連道路整備のうち飯田北改良は延長2・6キロを4車線化する計画で、年度内の工事着手に向けて準備を進める。本年度末の用地取得率はおおむね6割を見込む。
東新町座光寺線はリニア県駅へのアクセスや街中の安全安心の確保を目的とし、都市計画の街路事業として19年度に事業化された。延長1・4キロ。本年度末の用地取得率はおおむね8割を見込む。
リニア県駅―中央道座光寺スマートインター間を結ぶアクセス道路「座光寺上郷道路」は、延長約2・7キロ。本年度末の用地取得率はおおむね9割で、埋蔵文化財調査が完了した箇所から構造物工事を進める。JR飯田線の下に道路を造る計画で、1月にJRアンダーボックス工事に着手した。
JR東海長野工事事務所の杉浦禎信所長は県内の工事契約状況、工事や残土活用の進ちょく状況を報告した。
◎写真説明:両期成同盟会の総会