飯田市上郷飯沼・座光寺に新設するリニア中央新幹線長野県駅(仮称)の安全祈願・起工式が22日、上郷の北条地区で開かれた。長野県駅はホーム2面、線路4線の全長950メートル。ホーム区間は最大で幅約40メートル、高さ約20メートルの高架の駅となる。駅中央部は地上3階構造で、本線とホームは地上3階部分を予定する。東京・品川―名古屋間の4つの中間駅の一つ。中間駅の着工は2019年の神奈川県駅(仮称)、今年6月の岐阜県駅(仮称)に続き、3カ所目。
JR東海の柘植康英会長と金子慎社長、清水建設(東京)の井上和幸社長のほか阿部守一知事、佐藤健市長ら約100人が集まり、工事の安全を祈願した。
起工式で金子社長は「長野県駅が首都圏と中京圏、さらには関西圏と短時間で結ばれることで、ここを拠点に広い地域の発展につながる」と期待の言葉。地元に向けて「工事の実施に理解をいただき、本日を迎えることができた」と感謝し、着工に向けては「工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視し、安全を第一に工事を進める」と強調した。
土木工事の工期は26年3月末までを予定し、駅の完成に向けて電気機械設備などの作業は別途契約する。
JR東海は21年6月24日に清水建設と工事契約を結んだ。
全長950メートルのうち、高架橋区間は約510メートル、橋りょう区間は約120メートル、土構造物区間は約320メートル。工区の東端は座光寺地区で、土曽川、国道153号をまたいでホームまでを高架橋と橋りょうで結び、西端となる風越山トンネルとの隣接部は切土して掘割区間とする。
駅部は全て、四角いフードで覆う。駅中央部のうち高架下利用スペース付近の構造物は幅40メートル、高さ20メートルで、県駅に停まる副本線側のフードは外から見える構造を検討している。
座光寺側の駅東部のうち、土曽川に架かる橋りょう部の構造物は幅36メートル、高さ24メートル。その一方、県道市場桜町線からJR飯田線までの駅西部は飯田線に向かって地盤面が高くなり、地表面に構造物を計画する。
◎写真説明:起工式でくわ入れを行う金子社長(左)ら