リニア中央新幹線中間駅設置を契機として、新たな上伊那・飯伊地域の広域的な道路ネットワーク計画を策定するにあたり、多角的な立場から助言・提言を行う「南信地域広域道路ネットワーク計画検討委員会」(委員長・高瀬達夫信州大学工学部准教授)=事務局・県建設部道路建設課、県飯田建設事務所、県伊那建設事務所=の第2回会議が18日、県飯田消費生活センターであった。
会議では、3月から5月にかけて実施した自治体ヒアリング・住民アンケート・観光地ヒアリングの結果が報告され、その結果(地域ニーズ)と南信地域の現状と課題、さらに地域の将来像を踏まえて、南信地域における広域道路の基本的考え方を整理し、それに基づいて導き出した広域道路の候補路線(案)が事務局から示された。次回以降、広域道路の候補路線(案)について、ネットワーク機能の評価を行った後、上伊那、飯伊の各地区分科会を開いて地域の実情を踏まえた意見・助言を反映させ、秋を目標に南信地域広域道路ネットワーク計画(案)をとりまとめる予定。
南信地域における広域道路の基本的考え方は、①南信地域外との交流拡大②上伊那・飯伊地域の連携強化③リニア駅の利便性向上―の3つの基本方針に整理した。①は「隣接地域や大都市との連携を強化し、南信地域外との交流を拡大する」、②は「生活圏相互の連絡や、核となる都市へのアクセス性を強化し、上伊那・飯伊地域の連携を強化する」、③は「リニア駅のアクセス性を強化し、利便性を向上する」としている。
広域道路の候補路線は、以上の基本的考え方に基づき導き出した。特に今回の計画策定の契機となった③のリニア駅の利便性向上については「リニア駅周辺の混雑を抑制し、周辺地域とのスムーズなアクセスを確保するため、主要なアクセス道路を強化する」として、リニア駅と主要拠点を結ぶ路線として国道153号と国道151号(飯田市以南)を明記。「リニア駅の広域アクセス向上を図るため、リニア駅と高速道路を連結する」として、リニア駅と飯田,松川両ICを結ぶほか、両IC間にスマートインターの設置を盛り込んでいる。