リニア中央新幹線のアクセス道路として県が整備する座光寺上郷道路の設計が固まり、飯田市街地を同道路と国道153号飯田バイパス(アップルロード)、県道飯島飯田線バイパス(フルーツライン)で囲む4車線道路による環状線形成が実現することになった。県飯田建設事務所は他の計画も含め、従来計画を一括して見直す「都市計画道路」の決定に向けて22日に素案の閲覧を始める。
上郷飯沼に予定するリニア長野県駅と中央自動車道座光寺スマートIC間を結ぶ座光寺上郷道路の新設と国道153号の拡幅で既設道路をつなぎ、輪の形にして結ぶ。
アップルロードとフルーツライン、1993年に決定した都市計画道路「大門座光寺線」に沿うが、ほぼ全区間を片側2車線の4車線道路とすることは当時の計画になかった。
環状道路は市街地を中心にロの形状となる。中央に中心市街地、北東にリニア駅、南にアップルロード沿いの商業地帯が位置する。
西側の縦軸はフルーツラインで、鼎切石で整備中の羽場大瀬木線(約660メートル)は2019年度の供用開始を予定。上郷黒田では市街地から延びる4車線区間を土曽川大橋付近まで約400メートル延伸する。
南側の横軸と東側の縦軸は国道153号線。既設のバイパスに続く高屋交差点―座光寺交差点間の約2・6キロはリニア関連道路整備で4車線化する。用地測量を終え、物件調査の手続きを進めている。
北側の横軸は座光寺上郷道路の約2・9キロ。国道153号とはリニア駅近くの交差点で直結させるが、フルーツラインにはランプでつなぐ。上郷黒田の取り付け道路約250メートルが環状線内では唯一の2車線区間となる。
同道路は3区間に分けて計画を進めていて、スマートインター近くの一部区間はトンネル化を計画。いずれの区間も来年度内に用地の手続きに入る。
事業主体の県は、国道改良、県道新設ともJR東海がリニア開業年と位置付ける2027年までの実現を目指している。
全区間の概略設計が整い、地元説明を終えたことから、建事所は都市計画見直しの手続きを始める。
同市大門町と座光寺の国道153号交点を結ぶ「大門座光寺線」、県道飯島飯田線―国道153号の「上郷座光寺線」は関連道路整備の機能と合致するために変更する。
「小沼飯田線」は市場桜町線の改良計画により、一部の線形が変わる。国道153号は4車線化に向けた計画変更となる。
22日に上郷、25日に座光寺で住民説明会を計画。 素案の閲覧は22日~7月13日。7月14日には公聴会を予定している。
9月ごろに約2週間の案の縦覧を行い、11月ごろ県都市計画審議会に諮り、12月の決定を目指す。
都市計画道路は市町村などが行う都市計画と一体となって整備する道路。決定は都市計画法に基く。上郷黒田で開いた説明会で建事所は「都市計画決定することで、広く県民に計画を認知してもらいたい」と強調した。