JR東海が広域連合へ準備書説明「発生土の運搬先は早めに」

リニア中央新幹線

[ 2013年 9月 27日 金曜日 16時32分 ]

 南信州広域連合は26日、臨時会議を飯田市追手町の県飯田消費生活センターで開き、JR東海の職員からリニア中央新幹線の環境影響評価準備書について説明を受け、今後のスケジュールを含めて意見を交わした。市町村長らは建設発生土の運搬や活用、ルートの用地補償、JR飯田線の新駅設置の可能性などの懸念や課題を中心に質問や意見を出した。県内で約950万立方メートルとする建設発生土の活用に関連してJR東海側は「2014年度中には工事着工したいと考える。そのころまでには運搬・活用先をまとめてほしい」と求めた。

 同社から中央新幹線建設部環境保全統括部の沢田尚夫担当部長と環境保全事務所(長野)の奥田純三所長が出席した。冒頭説明の中では、同市上郷飯沼付近とする中間駅について「地元要望があった恒川(ごんが)遺跡を回避し、既存のJR飯田線駅にもできるだけ近い位置とした」などと説明した。

 【事業計画や建設発生土】

 意見交換で喬木村の大平利次村長は今後の事業スケジュールを問うた。沢田部長は「2014年度中に工事実施計画の認可を受けて、着工したいと考える」とした上で「すぐに工事車両が入るのではなく、事業計画や用地補償などを説明し、測量に入る」と補足した。

 松川町の深津徹町長からの残土運搬の計画に関しては「活用、運搬先は市町村の協力を受け、県で調整されているが、早期にどこへかは固めてほしい」と要望。「具体的に松川町では、大鹿村方面からの土が県道59号などで通る。認可から早くて1年半~2年後となろうが、決定は早いに越したことはない」と強調した。

 下條村の伊藤喜平村長からの「いつごろ、どれだけの量が出るかの情報は早めにほしい」の求めにJR側は「詳細な内容の精度を今後に高め、時間的スケジュールも作っていく」と応じた。

 「ルートから約50キロ離れている」として、売木村の清水秀樹村長は運搬可能な距離の目安を質問。沢田部長は「運搬側としては近い所がいいが、量も多く時期も長くなる。まさに県や市町村との話し合いによるが、遠くでも、まったく検討の対象外とはならない」とした。

 工事用車両の運行に伴う道路の拡幅や橋りょう整備などに関しては「狭かったり、カーブがきつかったりなど通行に支障がある場合には改修も考える。工事用だけか、現状(生活)で使っている道路を改良するかなどで対応は変わる。県など道路管理者と検討していく」と説明した。

 【用地補償】

 地下トンネルの用地補償について沢田部長は、他の整備新幹線の事業では「地上から5メートル内は用地取得、5~30メートルは部分地上権を設定している」ことを伝え「事例を参考に用地取得、補償を検討する」とした。豊丘村の下平喜隆村長の質問に答えた。

 路線などの整備に伴い発生する三角地などの「残地」補償については「現時点でどうこう申し上げられないが、説明会で個別具体的に対応したい」と述べた。

 【リニア駅とJR飯田線との結節】

 高森町の熊谷元尋町長は「リニア駅をJR飯田線の既存駅にできるだけ近づけたと言うが、そうは思わない。飯田線の新駅への費用負担はあるのか」と質問。沢田部長は「今のところ新駅の考えはない。地元から話があれば、初めて採算性、運営のあり方を含む検討を始める。地元請願駅は地元が設置負担し、当社が運営するが、利用増が認められなければ、運営のあり方を含めた検討にもなる」との見解を示した。

 関連して牧野光朗市長は「JR飯田線に(乗換え)新駅を造るかどうかは県や沿線自治体などとの協議が必要だが」とした上で「リニアに乗って来た都市圏民が飯田線に乗って北や南へ向かう分、乗客は増えるはず」と指摘。沢田部長は「利用増の見込みも考えるが、少ない可能性もないわけではなく、採算性を検討せねばならない」とした。

   ◇  ◇

 冒頭あいさつで連合長の牧野市長は「いよいよ大きなリニアプロジェクトが動き出すが、地域住民にとっては期待と不安が入り混じった状況」と指摘。「広域連合として県と連携、一体となって(周辺整備や地域づくりなどの)議論を重ね、JR東海とも同じ方向を向いて着実にプロジェクトを進めていきたい」との姿勢を伝えた。

 一方の沢田部長は「総じて準備書は、生活環境や自然環境の調査や予測により、必要に応じた措置を講じることで、影響がない、または十分小さいものにとどまる内容」と説明。「地元への説明、地元意見には丁寧に対応していく」と述べた。

 同社は10月2日の阿智村会場を皮切りに、県内計12カ所で説明会を開く。

  

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