飯田市上郷飯沼で進めるリニア中央新幹線建設事業を巡り、JR東海は24日、新設する長野県駅(仮称、全長950メートル)の工事契約を清水建設(東京都)との間で結んだと公表した。工期は25日から2026年3月末まで。
駅部区間は、昨年9月に工事契約の手続きを開始していた。施工業者が決定したことを受け、JRは具体的な施工方法を検討する方針。地元とも協議を重ね、秋以降に工事説明会を開く見通し。
工区の東端は座光寺地区で、土曽川、国道153号をまたいでホームまでを高架橋と橋りょうで結び、西端となる風越山トンネルとの隣接部は切土して掘割区間とする。高架橋区間は約510メートル、橋りょう区間は約120メートル、土構造物区間は約320メートルとなる。
構造物について、駅中央部のうち高架下利用スペース付近の構造物は幅40メートル、高さ19メートルで、県駅に止まる副本線側のフードは外から見える構造を検討する。
高架橋区間、橋りょう区間、土構造区間に分かれる駅部は全て、四角いフードで覆う計画。座光寺側の駅東部のうち、土曽川に架かる橋りょう部の構造物は幅36メートル、高さ24メートル。一方、県道市場桜町線からJR飯田線までの駅西部は飯田線に向かって地盤面が高くなり、地表面に構造物を計画する。
飯田市は駅の高架下の一部の利用を計画する。駅と一体的に整備する周辺整備(6・5ヘクタール)では土木の実施設計を進めており、用地協議や移転・契約の手続きを踏む。土木工事は2022年度、建築工事は24年度の工事着手を目指す。
主要なアクセス道路の改良は県が関連事業として進める。国道153号飯田北改良(2・6キロ)、座光寺上郷道路(2・7キロ)、県道市場桜町線の3路線を整備する計画で、県駅南側の新戸川の河川改修については物件調査や測量が完了し、本年度の渇水期から工事着手する。