東京―名古屋を結ぶJR東海のリニア中央新幹線計画で、同社は詳細なルートや駅位置、環境アセスメントの結果案などについて示す環境影響評価準備書を18日に公表することを明らかにした。20日から沿線の市町村役場などで一般公開し、各地で説明会を開く。県内の中間駅は飯田市座光寺・上郷エリアへの設置が有力視されている。
山田佳臣社長が11日の会見で明らかにした。
8月末にアセスメントを終え、結果案を取りまとめている。
18日に東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知の7都府県と飯田市など約40の市区町村に準備書を送付。ホームページでも公開する。
環境影響評価法に基づく縦覧期間は20日から1カ月間で、市町村役場などで一般に公開。並行して沿線各地で説明会を開く。
2011年の方法書公告後は飯伊4会場を含む県内6会場で説明会を開いているが、同社はこれまで「準備書では詳細なルートや駅位置を出すなど内容が詳細。方法書の時より丁寧に、説明する機会を増やしたい」としており、開催機会が増えるものと見られる。
公告後120日以内に各知事の意見を求め、評価書をまとめる。その後に工事実施計画を申請し、国の認可が得られた後は関係市町村や地区単位で事業説明会を開き、来年2014年内の着工を目指す。
飯伊の中間駅は、飯田市などが回避を求めているJR元善光寺駅周辺の恒川遺跡群を南側に避け、天竜川右岸の同市座光寺・上郷エリアへの設置が有力視されている。
東京―名古屋間は約286キロで、うち県内が約50キロ。駅は各都県1駅の計6駅となる。
東京、名古屋のターミナル駅は品川、名古屋駅の各直下、神奈川県は相模原市の橋本駅周辺、山梨県は甲府市大津町周辺、岐阜県は中津川市のJR美乃坂本駅周辺に設置されると見られる。
2020年の東京五輪決定を受けて各界から前倒しを求める声が出始めているが、南アルプストンネルや大都市圏の大深度地下の工事に10年以上の工期を想定していることから、山田社長は否定的な考えを示している。