「成り木責め」豊作願う

地域の話題

[ 2021年 1月 20日 水曜日 15時29分 ]

 市田柿に関わる南信州地域の伝統行事を継承し、さらなるブランド化や生産・販売振興につなげようと、飯田市農業振興センターは20日、豊作を願う小正月の伝統行事「成り木責め」を、同市上郷黒田の柿畑で行った。市内の生産農家ら約50人が参加し、伝統の儀式を通じて、たわわに実る収穫期を思い描いた。

 2人一組で行う成り木責めは、人役が「成りそろ(候)か、切りそろか、成らぬというなら切り倒すぞ」と唱えながらナタで柿の木の幹に傷をつけた後、木役が「成ります、成ります鈴なりに」などと応え、傷口におかゆと日本酒を供える儀式。

 同センターによると、飯田市では昭和40年代前半ごろまで行われていたものの、近年はほとんど見られないという。生活の多様化とともに忘れ去られようとしている行事を見直し、今後も伝承して「市田柿」のブランド化につなげようと、2012年から続けている。

 この日、柿の木になたを入れたJAみなみ信州柿部会の熊谷和郎部会長(71)は「子どもの頃に家でやっていたのを思い出した」と笑みを浮かべ、「出来、不出来はどうしても気候に左右されてしまう。災害がなく、柿の生育に適した気候となり、豊作となることを願いたい」と話した。

 成り木責めの終了後には剪定(せんてい)作業講習会を実施。JA営農部果実柿課や南信州農業農村支援センターの職員らが、理想的な樹形や若木、成木などの状況に応じた剪定方法について実演を交えて指導した。

 同JAによると、今季は4月の低温による新芽の枯死や、7月の長雨、8月の干ばつによる落果や変形果の増加などがあり、不作だったという。出荷量は1100トンを計画していたが、1000トンを切る見通し。

◎写真説明:豊作を願う「成り木責め」

  

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