飯田市の遠山郷に在住する若者有志でつくる「遠山郷探検隊」(伊藤誠智代表)は3日、遠山川での川遊びアクティビティのオープニングセレモニーを、道の駅「遠山郷」で開いた。来年度の事業化に向け、本年度は小中学生らを対象にラフティングなどの体験教室を計画。遠山郷の新たな観光資源として、地域経済の活性化や雇用の創出を狙う。
「小学校の遠山川での総合学習をきっかけに、川が好きになった」という伊藤さん(25)。父親の影響で中学生の頃からラフティングに関わりを持つようになり、短大時代にはガイドの研修を受けた。
地元で自動車整備の仕事に就くかたわら、「川の魅力や川遊びの楽しさを子どもたちに伝えたい」と、2018年から園児や小学生を対象とした川遊びの安全教室をスタート。20年には「自分の好きな地域で好きなことを仕事にしたい」と、小中学校の同級生らと探検隊を結成し、安全教室の他、地域のゲストハウスとの連携による沢登りツアーやラフティング体験などの企画運営を行った。
「遠山郷で暮らし、仕事をしたい」という若者の思いを応援しようと、南信州山岳文化伝統の会が活動を支援。県みらい基金を活用した、ラフティングボードやヘルメット、ライフジャケットなどの装備品整備や研修費用の助成をサポートした。
同会顧問の大蔵喜福さん(70)は「若者らの地域で暮らし続けたいという強い思いに賛同した。山と川、遠山郷の自然を生かした観光事業で、一緒に地域を盛り上げていきたい」と話した。
伊藤さんは「仕事がないから戻ってこれないという声をよく聞くが、仕事は自分たちで創り出せるということを示したい。川遊びを通じ、子どもたちに遠山郷の素晴らしさを伝えられたら」と力を込めた。
ラフティングコースは遠山川下流、天龍村との境付近の約2.5キロで設定。激しい流れはなく、保育園児から大人まで楽しめるのが特長という。
◎写真説明:セレモニーでボートに試乗する参加者ら