江戸時代から喬木村阿島地区に伝わる「阿島傘」の技術継承に取り組む村地域おこし協力隊員・水谷槙さん(38)が、飯田市伝統の水引と組み合わせた和傘を制作した。市内の水引工芸の会社に勤め、個人でも水引を使った小物を制作・販売する林友光子さん(55)=同村小川=が協力。祝い事に最適な華やかな傘に仕上げた。
後継者の不足が課題となっている地域の伝統工芸を組み合わせ、両方の魅力を発信したい―と以前から構想を練っていた水谷さん。9月に林さんにコラボを提案し、制作が始まった。
水引飾りは水谷さんのイメージをもとに林さんが試作を重ね、大きさや色、数を調整。真っ赤な和傘を白やピンクの梅結びで彩り、骨の軒先には雨粒をイメージしたという金色のみょうが結びをつるした。林さんは「水引と傘の相性はばっちり。色の選択も正解だった」と笑顔だった。
水引はご祝儀袋に使われることから「おめでたいイメージがあり、お祝いの場に相応しい傘に仕上げた」と水谷さん。希望があれば貸し出すとし、「村内での結婚式で使ってくれるとうれしい」と話していた。
傘の貸し出しは村企画財政課(電話0265・33・5129)で受け付ける。
◎写真説明:水引と組み合わせた阿島傘