大鹿村に約300年前から伝わる地芝居「大鹿歌舞伎」(国選択無形民俗文化財)をモチーフにしたご当地ポスト「大鹿カブシャンポスト」が同村の道の駅「歌舞伎の里大鹿」に設置され、14日お目見えした。郵便物を投函すると歌舞伎の掛け声やせりふが流れるようになっており、日本郵便信越支社によると音声が出るポストは県内では初めてという。
ポストの道の駅敷地への移転に合わせて村と同社が企画。村地域おこし協力隊の中村勝也さん(40)、周子さん(42)がデザインを担当し、「珍しいポストの写真を撮って終わりではなく、実際に手紙を投函してほしい」との思いから、投函時に音声が流れる仕組みを提案した。
設置されたポストは目立つように黄色を基調にし、周子さんが大鹿歌舞伎で演じらる場面をもとにイラストを描いた。郵便物を投函すると、中のセンサーが反応し、大鹿歌舞伎愛好会や歌舞伎に関わる村内小中学生の掛け声やせりふを聞くことができる。
14日には除幕式を開催。関係者や日本郵便、村のマスコットキャラクターが集まり、設置を祝った他、大鹿小学校2年生5人が、鹿児島県へ転校した友人に向けた手紙を早速投函した。
中村さんは「地域全体にとってうれしいポストを考えた。ポストを通じて村のことを知ってもらえれば」と話していた。
ポストの設置に合わせ、道の駅では大鹿歌舞伎のイラストをあしらった限定ポストカードの販売も開始。1枚120円で、売上の一部は継承活動に役立てられる。
地域にあったデザインにラッピングするご当地ポストの設置は県内で7カ所目。飯田下伊那地域では阿智村の「星空ポスト」に続き2カ所目という。
◎写真説明:お披露目された「大鹿カブシャンポスト」