天龍村の村役場周辺で28日、村鳥で県の特別天然記念物に指定されるブッポウソウの渡来が確認された。役場に隣接する自慶院の住職で、村民有志らでつくる「ブッポウソウを守る会」の会長を務める盛正賢さんは飛び回る姿を見つめ、「今年も無事に来てくれてうれしい」と喜んだ。
毎年、約4000キロ離れた東南アジアから渡り、同村で営巣、産卵、子育てを行うブッポウソウを保護しようと、村内では天龍小学校の児童や守る会などが中心となって巣箱の設置や観察時の注意啓発などに取り組んでいる。19日には、天龍小の児童が制作した巣箱30個を村内各所に設置した。
村役場によると、例年4月末から5月初めにかけて渡来しており、昨年は4月30日だった。
盛さんは役場屋上に設置した巣箱の周りを飛ぶブッポウソウを確認。近くに設けてある枝にとまったり、巣箱の中をのぞいたりする姿もあったという。「確認できたのはまだ1羽だけだが、これから続々と渡来すると思う。村で生まれたひなが飛び立つまで、見守っていきたい」と話した。
ブッポウソウは例年、5月中旬につがいとなって巣箱に入り、同月末に産卵。6月中旬にふ化し、7月中旬から下旬にかけて巣立っていく。
◎写真説明:役場屋上に設けた枝にとまるブッポウソウ(盛さん撮影)