松川町農村観光交流センターみらいのテラスに、イラストレーターの326(ミツル)さんがデザインした日除け用の巻上げカーテンが設置され、7月31日、町民らにお披露目された。この日は326さんが来町し、トークショーを開催。町が取り組む遊休農地を活用した環境保全型農業や、部奈地区から望む中央アルプスと天竜川の風景など、4枚の絵と言葉に込めた思いを語った。
学校給食に有機野菜を提供する農家らでつくる「松川町ゆうき給食とどけ隊」の牛久保二三男さん(66)=上片桐=が、栽培した野菜を1年前から326さんに提供していることを縁に企画。以前、写真をもとに似顔絵を描いてもらったことがあったため「ダメでもともとと、軽い気持ちで声を掛けてみた」と、カーテンのデザインを依頼したところ快諾を得たという。
デザインにあたっては、同センターが町の写真や環境保全型農業の取り組み、とどけ隊の活動やメンバー紹介などの資料を提供。完成したカーテンには、とどけ隊メンバーと生産物を組み合わせた似顔絵や町の風景などが描かれた他、「たべたものが自分をつくる。たべものはみんなのみらいそのもの」などの言葉が添えられた。
326さんは「食べ物を作りだす町の土や水を描き、牛久保さんの野菜を味わいながら感じたことを自然に表現した」と話し、「豊かな自然が育む地域の農産物を気軽に味わうことができるのは、外から見ると決して当たり前のことではないが、子どもたちが当たり前だと感じられ続ける、今の素敵な環境を守っていってほしい」と願った。
牛久保さんは「まさか本当に描いていただけるとは」と驚き、「素晴らしい絵を描いていただき、町と326さんの縁を深めることができた。町のPRにもつながる」と喜んでいた。
◎写真説明:とどけ隊の似顔絵などを描いたカーテン