飯田下伊那地域に今も残る懐かしの「丸型ポスト」の写真を集めたポスターが完成した。郵政事業の開始から150周年を記念し、日本郵便信越支社(長野市)が制作。15日から飯伊の全68局のロビーに展示し、郵便局の歴史を伝えている。
丸型ポストは、日本では1901(明治34)年に初めて設置され、70(昭和45)年に現在の箱型ポストが登場するまで生産・設置された。全国的に普及していたが、差込口が小さく大きな郵便物が入らないことから、老朽化に伴って置き換えが進み、数が少なくなっている。
写真を撮影したのは本紙写真部でも活動している豊丘村河野の筒井寛さん(80)。8月から9月末まで行われた下伊那北部の郵便局を回るスタンプラリーに参加し、賞品として丸型ポストを受け取ったのをきっかけに興味を持ち、飯伊全域を巡った。
現在も稼働している19基の他、使われなくなり個人所有になった丸型ポストについても元局員の知人らから情報を得て、計27基を撮影した。「写真展をできないか」と豊丘郵便局の春日宏保局長に見せたところ、ポスター化を提案されたという。
筒井さんは「撮影を通じて古き良き時代を思い出させてくれた」。春日局長は「年配の人には懐かしんでもらえると思う。郵便局150年の歴史の多くを見守ってきた丸型ポストを通じ、改めて郵便局に親しみを持っていただければ」と話していた。
◎写真説明:市田郵便局に展示されているポスター