飯田市中心市街地活性化協会と飯田市商業観光課は26日夜、いいだまちづくり講演会「アフターコロナに向けて、いま何をすべきなのか?」を市内で開いた。約20人が来場し、マルマン取締役営業企画部長の中田泰雄さん(44)と飲食店グループ企業「岳」社長で南信州うまいもん協議会長の北原広康さん(41)から、新型コロナウイルスが変えた世の中との向き合い方、ビジョンを聞いた。
「アフターコロナの有無を問わず、これだけは大切にしたいこと」として、中田さんは「行動」と「地域」、北原さんは「地域」と「スピード」を挙げた。
北原さんはコロナ感染拡大を機に、真剣に考えていた愛知―東京―海外進出計画と単独路線を大幅に見直し、顧客の利便性につなげようと、デパート地下食品売り場にヒントを得た弁当の合同販売会を発案。飲食店に連携を呼び掛け、飯田市と中津川市の交流にもつなげた。
「食は地域を支えるエンタメ」というコンセプトに基づいた「からあげ総選挙」も主催したことで「同業者や地域と協力することの大切さを学んだ」と話した。
コロナ前は出張が多かった中田さんだが、コロナ禍では「できることに集中しよう」と、地域商品の開発と市場の多角化に注力してきた2年を振り返り、地場産業の半生菓子とフィットネスを結び付けたヒット商品「カーボアップ最中」は「コロナ禍だからこそ出来た。視座を変えることの大切さを知った」と話した。
アフターコロナについては「行動の基本は変わらない。将来の種まきをどんどんしつつ、環境に適応したい」などと話し、行動の大切さを強調した。
地域振興のアイデアについての質問には、いずれも「新しい何か」をこれから創出するより、取り組みの継続と拡大による発信力強化を重視する考えを示した。
「飯田焼肉」で結び付き、刺激を与え合う2人について、コーディネーターを務めた東京のまちづくりコンサルタント、伊藤大海さんは「いずれも他の人を巻き込んでいるのが特徴。協同で得られるものは計り知れない」と評価し、「成功の共通分母は目的を明確にしてスタートすること。精神を高揚させる目的が全てを導き、妄想によって目的領域は最大化する」とまとめた。
◎写真説明:ともに「地域」を重視する方針を示した