「風越山(かざこしやま)を愛する会」(山下守弘会長、会員95人)は22日、風越山で恒例の新緑整備登山を行った。今年は14人が参加し、谷に面する登山道での柵作りと、前山の虚空蔵山(標高1130メートル)山頂にある休憩所の清掃に取り組んだ。
作業道具や柵作りに必要な10本以上の木杭を分担して抱え、表参道・滝の沢ルートを1時間ほど歩いて作業地に向かった。
虚空蔵山山頂から10分ほど下山した地点の「奴谷(やっこだに)」と呼ばれる急な斜面沿いに、約35メートルのロープ柵を設置。木杭をハンマーで打ち込み、たるまないように気を付けながらロープを張った。
休憩所として使われている築50年ほどのあずまやでは、屋根の上を清掃。長年手がつけられた形跡がなく、落ち葉や枝が腐葉土となり、数本の若木が育っていた。上ってスコップやくわで堆積物を落とした。
会員で同市高羽町の片桐晴夫さん(83)は「柵作りは歴史に残る作業になった。飯田下伊那のシンボルである風越山を今後も守っていきたい」と話していた。
同会は、1987年に風越山の自然と文化財の大切さを広く市民に啓発する目的で発足した。ごみ拾い登山、登山マラソンの協力、地域の登山イベントでのガイドの他、登山道の維持を行う丸山享保会の了承の下、登山道の整備も行っている。
◎写真説明:谷沿いの登山道にロープ柵を設置した