リニア県内駅へのアクセス道として県が進める国道153号飯田北改良の最初の工事となる「新戸川函渠(かんきょ)工事」の安全祈願祭が7日、飯田市上郷飯沼の現地で開かれた。国道153号と交差する新戸川の付け替え工事で、施工業者が主催。発注した県飯田建設事務所の太田茂登所長は「本工事を皮切りにリニア関連道路の工事を本格的に進めていく」と述べた。
飯田北改良では、国道153号の高屋交差点から座光寺交差点付近までを拡幅する。新戸川では地下に箱形の水路「函渠」を設置する計画で、函渠工事と工事期間中の通行を確保するための迂回路の設置に着手する。
安全祈願祭には県飯田建設事務所や施工業者の長豊建設、地元関係者ら21人が出席。上郷地域まちづくり委員会の北原重光会長は地域住民を代表して工事中の情報公開を求め、「便利な道路となることを期待する」と着工を祝った。
函渠工事は2024年3月までを予定し、工事費は3億4650万円。新戸川下流側の函渠施工から始め、函渠埋め立て後に迂回路を整備する。現国道下を含む上流側に函渠を設置する。函渠の全長は62メートル。
迂回路は国道153号の西側に設置し、全長約200メートル。幅8メートルの片側1車線で、歩道も設置する。迂回路の通行期間は9月中旬から25年3月ごろまでを予定する。
迂回路切替時(5~9月)のうち2週間程度は夜間片側交互通行となる。工事用車両は国道153号を通行し、1日の最大交通数は32台程度。
函渠設置後に本道を整備する次期工事は来年度末以降に着手する見込み。
飯田北改良はリニア中央新幹線の関連道路整備として渋滞の解消とリニア駅へのアクセス確保を目的に、現況の2車線を4車線に拡幅する。工期は27年までを予定し、総事業費は約130億円。
◎写真説明:現地で開いた安全祈願祭