飯田市川路の天竜川総合学習館かわらんべが本年度の「手づくり郷土(ふるさと)賞」(国土交通大臣表彰)を受賞し、14日、認定証の授与式が同館であった。国交省中部地方整備局の堀田治局長が寺澤保義館長に認定証を渡し、地域で防災や天竜川の素晴らしさを伝える20年にわたる取り組みをたたえた。
同賞は、良質な社会資本と関わりを持つ優れた地域活動を全国に広く紹介し、活力ある郷土づくりを推進しようと、1986年に創設された。本年度は全国から30件の応募があり、13件が受賞。大賞と一般の2部門のうち、同館は一般部門で受賞した。
同館は水防災の拠点として2002年に開館。飯田市と国交省が共同で運営している。年間に約3万人が利用し、天竜川の水辺の特性を生かした災害、生物、環境などの講座を年100回以上実施している。30人以上の地域住民が「協力員」として携わり、運営にお金がかかっていないのが特徴だ。
認定証の授与式には、かわらんべ関係者や堀田局長、佐藤健飯田市長ら約40人が出席。堀田局長は「地域の中で新陳代謝をしながら回せるしくみは他の手本になる。子どもたちに防災や郷土愛の意識を育んでいることが重要で、持続可能な地域づくりにつながる」とたたえた。佐藤市長は「三六災害の歴史を地元住民が次の世代に伝えていることが貴重」とし、「これからも川の素晴らしさ、災害の恐ろしさを伝えていってほしい」と話した。
寺澤館長は、昨年12月18日に東京都で開かれた記念発表会で発表した内容を紹介。川にこだわり、利用者が主役の施設運営が特徴とし、「利用者、行政や地域、そしてスタッフや協力員の3者が連携した『協働によるコトづくり』ができている」と説明した。
発表会でも掲げた「深山大沢龍蛇を生ず」の横断幕を見せ、「天竜川という大沢には学べる要素がいっぱいある。子どもたちの豊かな心を育み『河童人』を育て、河童から龍のような大きな人づくりを目指したい」と語った。
◎写真説明:認定証を授与し、記念撮影する関係者