飯田市の成人式が9日、市内16会場で開かれた。新型コロナウイルス感染症が急拡大する中、感染症対策を講じて開催。837人が出席し、成人の誓いを立てた。
対象者は抗原定量検査、関係者と来賓、保護者は簡易検査キットによる検査を式の前後に行うなどの対策を講じて開き、会場での酒類提供と会食は行わず、式後の会食も自粛するよう要請。写真撮影時を除いてマスクの着用を義務付けた。
丸山小学校体育館で開いた羽場・丸山地区の式典には、対象者122人中76人が出席。愛知県豊田市在住の榊佳大(けいた)さん(20)は新成人を代表して「人生の節目となる成人式をコロナ禍でも無事に迎えられてうれしい」と関係者に感謝の気持ちを伝えた。
佐藤健市長は「厳しい状況を一緒に乗り越えた経験は、必ず将来の大きな糧になる」と新成人を励まし「活躍の場は世界に広がっているが、常に地元のことを心に留め、いつかはこの地に帰ってほしい。皆さんと新しい地域を一緒につくっていきたい」と期待を語った。
実行委員を務めた平沢さくらさん(20)と上沼彩果さん(同)は「開けるという連絡を受けて安心した。中学を卒業して以来、会っていなかった人たちの成長した姿を見られ、スタッフとしてうれしかった」と振り返った。
川路公民館で開いた同地区の式典には対象者24人中19人が出席。全員が壇上に上がり、「東京で社会人として働いている。いずれ飯田に帰って働きたい」などと帰郷への思いを語ったほか、小学生時代に書いた「20歳の自分宛の手紙」を受け取った。
◎写真説明:記念撮影時のみマスクを外した(丸山小学校で)