さまざまな課題を解決し「日本なしの産地」を未来につなげていこうと取り組む「南信州日本なし産地再生プロジェクト」は13日、若手農業者との意見交換会を飯田市鼎東鼎のJAみなみちゃんホールで開いた。プロジェクト計画に、地域を担う若手の意見を反映させる。
同プロジェクトは、生産者や農業関係団体、行政の連携により6月30日に発足。担い手確保や栽培上の課題、ブランド構築などの課題を解決し、日本なしの産地を再興させようと狙う。
本年度は若手農業者の意見聴取や栽培意向調査などを参考に計画を策定し、来年度から5年間かけて本格的な活動に取り組む。
意見交換会には、地域の20代から50代の日本なしの生産者30人ほどが参加。プロジェクト事務局の県南信州農業農村支援センターの佐々木直人所長は「改植が進まず生産力が低下している一方、価格は堅調だ。歴史ある産地、重要な品目として産地を再構築したい。魅力ある産地づくり、稼ぐ力の向上につなげよう」とあいさつした。
意見交換では、栽培上の課題や生産者を増やす方法、産地としてのPR方法などについて意見を交わした。ジョイント栽培は、作業の省力化に効果があるものの、改植に初期投資が必要な上、成園までは何年も収入を得られない状態が続くといった課題がある。
「成園まで収入の何%かを補てんする仕組みがほしい」「高齢化で手放された老木園を、改植した上で新たな担い手に貸し出す仕組みを作っては」などの意見が出た。
また、長野県が日本なしの産地としての知名度が弱いため、選ばれる産地となるようブランド力の向上が必要だとの意見もあった。
参加した同市北方の北林祐也さん(39)は「課題は多いが、産地を盛り上げようという同世代の話を聞き、自分も負けていられないとモチベーションが高まった」と話した。
◎写真説明:日本なし栽培へ意見交換