飯田市川路の天竜川総合学習館かわらんべは8日、七草を摘み、たたく体験講座を開いた。約50人が参加し、親子で七草を探しに出掛け、唱え歌に合わせて包丁でたたいた。
七草は▽セリ▽ナズナ▽ゴギョウ(ハハコグサ)▽ハコベラ▽ホトケノザ(コオニタビラコ)▽スズナ(カブナ)▽スズシロ(ダイコン)―の7つ。七草を入れたおかゆを年神様に供え、一緒に味わって一年の無病息災を祈る。
正月の伝統行事を知ってもらおうと毎年開いている新春講座。地域の女性住民5人が協力員としてサポートし、見つけにくい七草を事前に採ってきた。
当初は七草がゆを作る予定だったが、コロナの警戒レベル上昇で急きょ内容を変更。かゆの調理を取りやめ、唱え歌も聞くだけにした。
参加者は2班に分かれ、摘み草とたたいて刻むのを交互に体験。七草摘みでは同館近くの野原に出て、ハコベラとナズナを探した。冬の寒空の中緑色に生える2つの草を見つけると、手でつまんだり、シャベルで掘ったりして摘み取った。
七草を刻む体験では7つの植物を混ぜて保護者がざっくり刻み、子どもたちが唱え歌に合わせてたたいた。「七草なずな とうどの鳥が 日本の国へ 渡らぬ先に あわせてばたばた」の唱え歌を聞きながら、リズミカルに包丁を動かしていた。刻んだ七草は各自持ち帰った。
親子5人で参加した上郷小学校5年の児童(11)は「唱え歌は知らなかったけど、合わせてたたいてみたら楽しかった。どんな味になるか、家族でおかゆにして食べてみたい」と話していた。
◎写真説明:唱え歌に合わせ七草をたたく子どもたち