飯田市川路の天竜川総合学習館かわらんべは7日、伝統行事の「七草」を摘み、たたく体験講座を開いた。親子ら約30人が参加。水辺の楽校に自生する七草を探し、唱え歌に合わせて包丁できざんだ。
七草は▽セリ▽ナズナ▽ゴギョウ(ハハコグサ)▽ハコベラ▽ホトケノザ(コオニタビラコ)▽スズナ(カブナ)▽スズシロ(ダイコン)―の7つ。大正月のしめくくりとして、七草を入れたおかゆを年神様に供え、7日に一緒に味わって一年の無病息災を祈る。
1000年以上続く正月の伝統行事を知ってもらおうと毎年開いている新春講座。地域の女性住民が協力員としてサポートし、事前に調理用の七草を用意した。
例年は七草がゆを作るが、新型コロナウイルス感染防止のため、かゆの調理は取りやめた。
参加者は2班に分かれ、摘み草と調理を交互に体験。摘み草では天竜川河川敷の水辺の楽校に出掛けて七草を探した。ハコベラのほか、ナズナ、スズシロを見つけ、寒空の下で緑色に生える草を摘み取った。ホトケノザも発見し、セリの生える場所も確認した。
刻む体験では7種を混ぜざっくり刻み、唱え歌に合わせてたたいた。「七草なずな 唐土(とうど)の鳥が 日本の土地へ 渡らぬ先に 七草なずな 合わせて はたはた」と唱えながら、リズムに合わせて包丁を動かした。刻んだ七草は持ち帰った。
親子2人で参加した山本小学校5年の男子児童(11)は「自分で七草を見つけられ、たたくのが楽しかった。1000年続いているのがすごい。伝統行事を体験できて良かった」と話していた。
◎写真説明:七草をたたく子どもたち