風越(かざこし)山を愛する会(山下守弘会長)は3日、風越山の前山・虚空蔵山(標高1130メートル)山頂から愛宕神社秋季例祭の花火を楽しむ「花火鑑賞登山」を開いた。14人の参加者が夜の帳が下りる中の登山道を進み、虚空蔵山山頂から飯田市街の夜景とともに花火を見下ろした。
午後5時に丸山公民館に集合後、滝の沢登山口から入山。徐々に暗くなり始めると、参加者は懐中電灯やヘッドライトで登山道を照らした。楽しげな会話を響かせながら1時間半ほどで登頂。眼下に広がる夜景を眺め、7時半からの打ち上げを待った。
一発目の花火が打ち上がると「あがった」「きれい」と歓声が沸いた。15分ほどの短い時間だったが、スターマインなどもあり、参加者はカメラを向けたりして山から見る花火を味わっていた。
参加した会員の女性(75)は「花火を上から見ると、心なしか球体に見えた気がした。普段の登山とは違って新鮮な気持ちで登れた」。初めて同会の登山に参加した男性(15)は「山の上から花火を見たり、夜に登るのは初めてでいい経験になった」と語った。
かつては恒例行事として毎年開いていたが、ここ10年ほどは行っていなかった。コロナ禍でイベントが減っていることから楽しみを作ろうと復活させた。山下会長(85)は「貴重で面白い企画なので今後も継続していきたい」と話していた。
同会は1987年に発足し、現在の会員は95人。登山イベントや美化活動を通じて風越山の環境保全、魅力発信などをしている。
◎写真説明:山から花火を見下ろした