飯田下伊那の高校生が地元の18歳の投票率100%を目指して活動した「飯田下伊那100計画」を復活させたい―。飯田風越高校の生徒有志が、動き出した。生徒会での政治に関わる活動が難しく夏休み期間に入ってしまうなど、思うように活動できないまま7日の県知事選投票日を迎えるが「若者の声が反映される政治に」と投票率向上を呼び掛けている。また、来春の県議選など今後の選挙へ向け思いを実現しようと、他校の生徒や後輩など賛同する仲間を募っている。
同校生徒会は7月1~3日の文化祭でのウクライナ避難民支援活動に関連し、同7日に高森町の壬生照玄町長を招いて講演を聴いた。当時は参院選の選挙期間中。講演の際、過去にあった地元高校生による「飯田下伊那100計画」についても教わった。
同計画実行委員会は、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた2016年参院選に合わせ、飯伊の高校生有志が同年4月に結成。啓発イベントやSNSなどでの呼び掛けを展開した。市内高校4校の参院選投票率は平均で84・02%を達成した。
100計画の存在を知った風越高の生徒たちは、当時のメンバーだった同校卒業生らに連絡を取り活動の様子を聞いた。校内で参院選の有権者数と投票率の調査を行おうとしたが、生徒会が政治的な活動を行うことに学校側の協力が得られずに断念した。
生徒有志の活動に切り替えて模索したが難航、7月20日にムトスぷらざであった「(仮称)環境文化都市づくりプラットフォーム」の学生向け相談会で飯田市に協力を求めた。市を通じて、県南信州地域振興局の県選管南信州地方部と連携し、同26日には同校で高校生向けの選挙啓発活動を行った。
代表の澤栁りなさん(17)は「若い人の声を政治に取り入れるために選挙権年齢が引き下げられたのに、投票率が低いままだと若い人の声が政治に反映されない」と訴える。「まだ思いだけで活動できていないけれど、仲間を募って地域全体で進めていきたい」と思いを語った。
メンバーの松尾祐弥さん(同)は「高校生が政治や選挙に関心を持つ活動にしたい」、小澤菜々実さん(18)は「選挙権を得ても興味が湧かないという人にも伝えたい」、濱島鈴音さん(17)は「他校の生徒や後輩たちにも加わってもらい、実現に向けて進んでいけたら」と話した。
◎写真説明:100計画復活を模索する風越高の有志