JAみなみ信州と飯伊地区労農会議は5日、食糧不足が続くアフリカのマリ共和国へ送る「国際協力田米、アジア・アフリカ支援米」の合同発送式を飯田市鼎のJA本所で開いた。労農会議やJAの関係者のほか、一緒に米作りをした川路保育園(同市川路)の年長園児13人も参加し、466・5キロの米を発送した。
飢餓に苦しむ人々を救援しようと、労農会議は1995年から、JAは2007年から取り組み、それぞれ米を栽培して支援に役立てている。飯伊地区労農会議は、みなみ信州農協労組、自治労下伊那地区協議会、社民フォーラム飯伊、飯伊地区労組会議の4団体で構成している。
発送式では子どもたちが歌やダンスを発表し、米袋へメッセージや絵を描いたシールを貼って思いを込めた。大人と一緒にトラックに積み込み、「届けてください」と声を合わせて出発を見送った。
労農会議は同市上郷の田んぼ6・1アールで育てた「風さやか」346・5キロを発送。JAは食育事業の一環として川路の田んぼ4アールで同園の園児と田植えから収穫まで取り組み、「にじのきらめき」120キロを送った。
米は日本通運飯田支店が長野市まで無償で届け、JA長野中央会が来年1月に他地域からの米とともに発送する。マリには同3月ごろに到着する予定だ。
園児の一人(6)は「おいしいおにぎりにしてお腹いっぱい食べてほしい」と願っていた。飯伊地区労農会議の伊藤尚志議長は「困っている人を支援するとともに食について考える機会にしたい」と話した。
長野県労農会議は1995年から「アジア・アフリカ支援米送付運動」を展開し、各地区の労農会議が栽培した米を飢餓に苦しむ国に届けている。
◎写真説明:トラックに米を積み込んだ川路保育園の園児