JAみなみ信州は農作物の盗難被害を防ぐため、警察署や飯田下伊那地域の市町村と連携したパトロールを始めた。近年、全国各地で農作物の盗難が相次ぎ、飯田下伊那地域でも今シーズンですでに3件の盗難被害が発生していることから、初めて合同で実施。9日には飯田市鼎の本所で出発式を開いた。
これまで各組織がそれぞれの取り組みをしていたが、被害増加の中で果実の収穫最盛期を迎えるに当たり、連携した防犯対策を目指す。年末までパトロールを通して不審な人物を見張る他、農家にネットや防犯カメラの設置などを呼び掛ける。
5月には喬木村でブルーベリー、7月には飯田市でモモ、松川町でブドウの盗難があった。モモは収穫直前の盗難で約6万円の被害だった。JAによると、この時期に3件は異例で、昨年は大きな盗難被害はなかったという。
式にはJA関係者の他、飯田署、阿南署、7市町村から計70人ほどが参加し、パトロール中の注意点などを共有。式が終わると、パトカーに続き、「盗難防止パトロール強化中!」というステッカーを貼った自治体の青色回転灯搭載車(青パト)とJAの車両がパトロールに出発した。
寺沢寿男組合長は「管内でも被害が出ている。この出発式を生産者が丹精込めて育てた農産物を地区全体で守っていくきっかけにしたい」とあいさつした。
飯田署の清滝吉春署長は「農業の担い手が安心して生産に打ち込めるような社会づくりに取り組んでいく」と力を込めた。
◎写真説明:農作物盗難防止パトロールの出発式