広島に原爆が投下され77年となった6日、高森町山吹の丸山公園平和の丘で「平和をつなぐつどい」が開かれた。住民ら80人余りが参加し、平和の鐘を鳴らして黙とう。同公園に植えられている広島で被爆した樹木アオギリの「2世」を前に、平和への思いを強めた。
広島出身の被爆3世で、4年前から同町で暮らす山内智子さん(47)が会長を務める住民有志の会、「伝えたい想いアオギリにたくして」が主催した。
同会は2019年に町内で、被爆体験の語り部の姿を描いた映画「アオギリにたくして」が上映されたことをきっかけに、被爆アオギリの「3世」を育てることを通じて平和への思いを育み、その輪を広げていこうと20年に発足。2世の種を拾って育てた苗木の配布などを行っている。
つなぐつどいは今年で3回目。黙とう後には歌や楽器演奏などが行われ、心地良い音色や伸びやかな歌声に、平和への思いが乗せられた。また、会場には七夕飾りが設けられ、短冊には「戦争のない世界に」などの願いが込められていた。
山内さんは「ロシアのウクライナへの軍事侵攻により、参加者の戦争や核に対する認識が、過去のものから現在のものへと変化したように感じられた。平和を願う皆の思いが届くことを願う」と話した。
◎写真説明:平和の鐘を鳴らし黙とうする参加者ら