総合格闘技団体「空手道禅道会」(総本部・飯田市上郷黒田)は7日、ウクライナから高森町に避難している母子ら9人の歓迎会を町内の飲食店で開いた。同会のメンバーら約30人が参加し、食事や空手を通じて交流。和やかなひとときを過ごした。
避難民9人は禅道会ウクライナ支部で空手を学ぶ会員とその家族。禅道会と町が連携して1日から町内の宿泊施設で受け入れている。
会場のテーブルにはしゃぶしゃぶや稲荷ずしなど和食が並び、9人は慣れない箸を使って食事に挑戦。クズニェツォバ・ヴィタリ君(10)は母国の日本料理店で働いていた経験がある姉のカテリーナさん(19)から箸の持ち方を教わり、「とてもおいしい」と笑顔だった。
高森道場に通う子どもたちや主席師範の小沢隆さん(61)=同町山吹=らが演武や杉板、ブロック割りを披露。最後には一人一人に道着のプレゼントもあり、スタシウク・ダビド君(9)は「もらった道着に感動した。ここでも空手を続けて黒帯になりたい」と意気込んだ。
小沢さんは「町内での生活には多くのお金が必要で、戦地に残る会員のために現地にも送金したい。大勢の理解と支援をお願いしたい」と協力を呼び掛けた。
町によると、9人は早ければ14日にも町営住宅に移る予定という。
◎写真説明:食事を楽しむ避難民の子どもたち