大みそかを前に、喬木村伊久間の法運寺で27日、二年参りに訪れる人たちをろうそくの明かりで迎える灯明飾りの準備があった。31日は境内や墓地に並べて午後10時に火をともす予定で、来年元日の午前2時頃まで楽しめる。
灯明づくりは、広沢勝則住職(83)が1996(平成8)年に始めて以降、毎年続けている。天竜川対岸の飯田市や高森町からは山腹にある寺が燃えているようにも見え、地域の風物詩として定着している。
今年も盛大に飾り付けようと、この日は檀家ら約30人が参加して計1900個を手作りした。ペットボトルと竹の2種類があり、上部を切りそろえた空のペットボトルと斜めに切った長さ50センチほどの竹を用意。約2時間ほどかけて全てにろうそくを立て、砂利などを入れて固定していった。
総代長の横前豊さん(71)は「毎年さまざまな思いを込めて灯明を準備するが、ことしは新型コロナウイルスの終息を願った。来年は平穏な年になれば」と話した。
完成した灯明は参道や境内など寺一帯に並べる他、500個のペットボトルを使って「卍」の文字を表現する。寺の周囲には街灯がほとんどないため境内は真っ暗となり、一帯に散りばめられた灯明が幻想的な光を放つ。広沢さんは「11時ごろが一番きれいに見える。訪れる場合は基本的な感染防止対策を徹底して」と呼び掛けている。
◎写真説明:灯明飾りを用意する檀家ら