飯田下伊那地域の産学官でつくる飯田メディカルバイオクラスター(木下博隆代表)は7日、シンポジウム「健康長寿社会に向けた食の探究」を飯田市座光寺のエス・バードで開いた。80人が集まり、高野豆腐おからパウダーの健康機能性、高野豆腐に多く含まれる食物成分「ルミナコイド」の働きについて理解を深めたほか、新商品の発表もあった。
飯田女子短期大学の友竹浩之教授は、難消化性のルミナコイドについて「余分な糖分、脂質、胆汁酸などの排泄を助けたり、腸内細菌のえさになることで、健康にプラスに働く」と説明した。
南信州地域で生産される高野豆腐、みそ、酒かす、半生菓子のあんに含まれることから、認知度アップに向けて共通シールを作り、既存の商品に貼る構想にも触れた。
共通シールによるPRは、飯田メディカルバイオクラスターがこのほど発足させた「ルミナコイド研究会」で検討している。
日本料理店の柚木元(飯田市東和町)は、おからパウダーを小麦粉の代わりに使ったスティック状のケーキとパン5種類を新商品として発表。4月から試作を重ねて商品化にいたった経緯を説明し、参加者に試食品を配った。
前段では輝山会記念病院の原修医師が「隠れ糖尿病の脅威とその対策」、旭松食品・食品研究所の三ツ井陳雄主任研究員は「おから摂取が食後血糖値上昇に与える影響」と題してそれぞれ講演した。
閉会行事で食品系分科会の村澤久司代表は「ルミナコイドの働きに着目し、健康長寿に貢献できる商品を開発していきたい」とあいさつした。
◎写真説明:おから摂取の影響などを発表した