飯田市下久堅虎岩嵯峨坂の自生地で、ザゼンソウ(座禅草)が顔を出した。12日には自生地保護を目指す「虎岩の文化財を守る会」(池田健一会長)が午前10時から、現地で見学会を開く。
500株以上のザゼンソウが自生しているとして、1995年に市の天然記念物に指定された群生地で標高は634メートル。周辺には駐車場や遊歩道が整備されている。
ことしの開花は2月下旬ごろに始まったとみられる。降雪で群生地一帯が雪化粧した7日は、遊歩道周辺で複数の赤い花が雪の中から姿をのぞかせていた。
ザゼンソウはサトイモ科の多年草。池田会長によると、花のように見えるのは苞(ほう)で、苞の中にある肉穂花序に約100個の小花がある。
赤紫色の仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれた姿が、僧侶が座禅を組む姿に似ていることからこう呼ばれているという。
嵯峨坂は飯田下伊那地域では数少ない自生地の一つで、現在は地元有志でつくる同会が、旧瀧沢医院一帯の整備保存とともに保護活動に当たっている。
12日の見学会は午前10時から現地で。同会による解説も予定されている。
自生地は広域農道方面から市道嵯峨坂線を東に向かい、案内板を左折する。案内板から駐車場までは約200メートル、駐車場から徒歩で約100メートル。
問い合わせは池田会長(電話090・7810・6588)へ。