下條村と村商工会は9日、停電時の水源確保をテーマにした防災訓練を行った。6月に両者が締結した「災害時における支援活動協定」に基づき、商工会会員企業が発電機などの資機材を提供。配水池の電源確保を実践して緊急時に備えた。
雪害による倒木で、陽皐の上野原配水池の電源が遮断され、復旧のめどがたたない―との想定で実施。村が商工会に発電機の貸与を依頼し、村内の建設会社で会員の新井工務店が現地に持ち込んだ。
実際に配水池への通常電源を遮断し、発電機と配水池の動力と制御盤を直接結んで電力を供給。ポンプアップできるかを確認した。
同配水池は下流地域への配水に加え、標高の高い場所にある宝ノ戸配水池に水をポンプアップする役割も担う。停電により機能が停止すると、開栓中の陽皐地区内218件に影響が及ぶという。
昨年9月には台風24号の影響で実際に停電が発生。村が発電機による電力確保に向けて始動した時点で復旧したという。
訓練はこうした経験も踏まえて実施した。
発電機からの配線作業で想定外の時間を要したが、手順や必要資材などをチェックすることができた。また、配水池敷地内に発電機を運ぶ際、入り口が狭くて大型車が進入できないなどの課題も見えた。
金田憲治村長は「訓練を通じさまざまな課題を洗い出すことができた。課題を解消しながら手順をマニュアル化し、職員誰もが対応できる体制をつくりたい」と話した。
◎写真説明:配水池への発電機搬入