飯田市の中心市街地にある桜の名所「大宮通り桜並木」のソメイヨシノが開花し、地元の保存会が22日に開花を宣言した。平年より13日、昨年より4日早く、観測が始まった1953(昭和28)年以降では最も早い開花となった。
700メートルの間に並ぶ約150本のうち、昨年新たに基準木としたホテル弥生近くのソメイヨシノが5、6輪以上咲かせたことから、管理する大宮通り桜保存会が宣言。関係者のほか近くの園児も集まり、開花を喜んだ。
これまで最も早かったのは2009年と10年の23日。最も遅かったのは84(同59)年の4月19日。基準木は何回か変更している。
開花が早まった理由について保存会は「平年より気温が低かった1月に、前年夏に休眠状態だった花芽の休眠打破が順調に進み、2月の気温上昇で急速に成長したため」としている。
保存会では22日から桜並木で夜桜ちょうちんの点灯を始め、4月4日には2年ぶりとなる「大宮通り桜まつり」を開催する。大宮諏訪神社境内のちょうちんを増やし、テーブルの消毒、手洗いなど新型コロナウイルス対策を徹底する。
井上基会長(63)は「今朝から心がはつらつとしている。今年はきれいな状態で咲くと思う」と声を弾ませた。
観測は06年まで旧飯田測候所職員、19年までは気象アドバイザー、昨年から保存会が担っている。
◎写真説明:開花した桜並木のソメイヨシノ