人結ぶ「つなぎ舟」完成

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[ 2020年 3月 17日 火曜日 15時00分 ]

 天竜川和船文化保存会(杉本忠会長)は、造船技術の伝承を狙って本年度に製作してきた「つなぎ舟」を完成させ、16日に2つの船を分解して再びつなぎ合わせる作業を公開した。舟は人や地域をつなぐ「結舟(ゆいぶね)」と命名した。20日に進水式を行う。

 つなぎ舟は、天竜舟下りが昭和30年代まで市田港―天龍峡港間で使っていた和船で、中央で2つに分解できる特徴がある。下った舟は天竜峡駅から鉄道で市田駅まで運んでいたが、船体が貨車より大きかったため、舟を半分に分解して乗せていた。

 天竜舟下り(信南交通地域観光事業部)の南島純さん(38)と柴田拓朗さん(22)の2人が製作を担当。船大工棟梁の矢澤啓志さん(59)が指導に携わった。

 昨年12月下旬に製作を開始。設計図がなく、写真しか現存していないため、自らの手の感覚で造り上げ、約3カ月かけて完成させた。かつてのつなぎ舟は全長約7メートルと小型だったが、新造船は通常の舟と同じ全長12・7メートル(重さ1トン)の大きさで製作した。

 この日は、飯田市松尾新井の弁天港で、舟を二つに分解してクレーンで陸に上げ、陸で再び一つに接続する作業を公開した。

 接続作業では、舟の側面を鉄の板や縁を保護する板「外小縁(こべり)」で固定。接続部分の立板を金具で挟みボルトで締めた。

 舟がずれていると締まらないため、ジャッキなどで舟の位置を調整しながら慎重に作業を進めた。舟が一つに接続されると、再びクレーンで持ち上げ川に降ろした。

 新しく造ったつなぎ舟は人と人とを結ぶという意味を込め、飯田の“結”とも絡めて「結舟」と命名した。

 天竜舟下りは20日午前9時から弁天港で、安全祈願祭と進水式を行う。保存会は「結舟で時又港から天竜峡港までを“つなぎ”、弁天港から唐笠港までを一つにして運行するコンテンツを作りたい」とし、結ぶにかけて結婚式で新郎新婦に乗ってもらうなど活用法を考えている。

 南島さんは「2つの舟を別々に造るので、合わさる部分の製作が難しかった」と語り、「今度は船頭として乗るので、お客さんと一緒に木の香りを感じながら下っていけたら」と期待を膨らませていた。

◎写真説明:2つに分解した舟をクレーンで陸上げした

  

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