飯田下伊那出身の大学生らでつくる高森町の「わかもの特命係」は14日、壬生照玄町長との「オンライン飲み会」を開催した。首都圏で外出自粛中の学生らがお酒やジュースを手にそれぞれの近況を語り合い、「新型コロナウイルスの影響がある今だからこそ地域にできること」を探った。
参加した7人は、大学が休講中で5月ごろからのオンライン授業開始まで時間を持て余している学生がほとんど。「地元の家族や知り合いに感染者を出したくない」と帰省せずに首都圏に残り、たまに買い出しで外出する時も感染しないよう細心の注意を払っているという。
留学先の台湾から急きょ帰国し、自費で2週間自己隔離中という学生も。帰国中もオンライン授業に参加しており、ウェブ会議アプリ「Zoom」を使った授業の様子や台湾の情勢などを紹介した。
壬生町長は「小中学校が休校したが、子どもたちに明るい気持ちで楽しんでもらいたい」と、職員の発案で川柳やマスクデザインの募集を企画したと紹介。「明るい話題がない今だからこそ、大学生の力で地域を盛り上げてほしい」と呼び掛けた。
学生らは、緊急事態宣言下の都市部と飯田下伊那地域では危機意識に差があると指摘。「感染者が少ない今だから間に合う。高森の人たちに感染してほしくない。都会から人を入れない、帰ってくるなと宣言してほしい」と訴えた。
今後、わかもの特命係のメンバーで感染拡大防止の啓発動画を制作し町CATVで放送するほか、地域を盛り上げる企画などを検討していくという。
町長とのオンライン飲み会を企画した山梨大4年の男子学生(21)は「帰省を自粛している大学生が多い。オンラインでも地元とのつながりを感じ、出身地に貢献できるという希望を持てたと思う」と手応えを感じた。
「学生同士でもオンライン飲み会を広げてもらい、外出自粛のストレスを和らげてもらえたら」と話していた。
◎写真説明:ウェブ会議アプリでオンライン飲み会