増築中の満蒙記念館の工事現場公開

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[ 2019年 7月 30日 火曜日 15時02分 ]

 新館セミナー棟の増築を行っている満蒙開拓平和記念館(阿智村駒場)はこのほど、特殊な工法で作業を進めている工事現場を公開した。120人規模の木造ホールを実現するため、あらかじめ地面で組んでおいた木材をクレーンでつるして設置する「地組み」と呼ばれる工法を採用。9月末の完成を目指す。

 セミナー棟は、現在の本館西側に増築する木造平屋建て建物で、120席のセミナールームや42席の証言映像ルームなどを備える予定。本館と渡り廊下のスロープで接続する。

 これまでの同記念館は、建物が狭く修学旅行など大人数を受入れる場合には、複数に分かれての見学や他の公共施設を借りての学習などを行う必要があった。セミナー棟が完成すれば、同館のみでの受入れが可能になるという。

 設計を担当した新井建築工房(飯田市松尾)の新井優代表によると、セミナー棟には体育館やドーム、橋などに利用される「トラス構造」を採用。県産の木材が用いられている。

 幅11メートルの空間を木造でつくり上げる建築はあまりなく、建て方も試行錯誤の末、地組み工法にたどり着いたという。

 現場公開では、事前に柱や梁を組み立てた幅11メートル、高さ7メートル、重さ約1トンの部材を設置する様子を披露。クレーンでつり上げてから、10分ほどの時間をかけて決められた位置に固定した。

 工事を行う吉川建設(同市松尾町)の担当者も「今まで経験したことのない難しい建て方」と話すが、新井代表は「記念館は社会に対してメッセージを発信する施設。それに相応しい空間も必要」とし、「満蒙開拓の歴史を感じてもらうためにも、伝統的な木造による空間づくりが必要」と強調する。

 同館の三沢亜紀事務局長は「満蒙開拓の辛い体験を木造の建物が包み込み、印象に残る空間で受け取った思いを持ち帰ってくれれば」と期待を寄せている。

◎写真説明:「地組み」工法で増築工事が行われる満蒙記念館

  

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