国土交通省天竜川上流河川事務所が大鹿村で工事を進める、塩川床固工群の4号床固工事現場に、大鹿小学校の6年生7人が書いた文字を刻んだ銘板が設置され、11日、除幕式が行われた。
同工事現場から採取された巨石を加工して作られた石碑の表面には、児童が1人1文字ずつ担当した「塩川4号床固工」の工事名。裏面にはそれぞれ自筆の名前も刻まれた。児童らは、完成した銘板を見つめ「紙に書いた時よりもきれいに見える」と笑顔を見せた。
塩川と鹿塩川の合流点付近に位置する塩川床固工群は、川底の侵食を防ぐため、低い横工をいくつも階段のように並べることで川の流れを安定させ、川底の勾配をゆるやかにして水の流れるスピードを遅くする工事。総延長は約800メートルで8つの工事に分かれる。
このうち4号床固工は堤長47メートル、堤高6・2メートルで、今月中に完成を迎える。
同現場では、工事を施工する建設業者が「地元の子供たちの思い出と、建設業への興味関心づくりに」と、2017年3月に完了した「塩川3号床固工」の銘板も、大鹿小6年生に字を書いてもらっている。
今回「工」の字を担当した児童(12)は、「自分の書いた字が石碑に刻まれることは、なかなかできない体験だと思う。皆の字がきれいに並んで、とてもうれしい」と喜んだ。
施工の三六組(飯田市本町)、幾島隆現場代理人(58)は、「故郷の思い出として心に残り、大人になっても見に来てもらえたら。合わせて、災害から生活を守る、河川工事をはじめとする建設業の仕事に興味を持ってもらえたらうれしい」と期待を寄せた。
◎写真説明:書いた字を指差す児童