飯田市の成人式が13日、市内全20地区を対象に16会場で開かれ、振袖やスーツ、羽織袴など晴れ着に身を包んだ新成人らの新たな門出を祝した。
平成最後の新成人となる市の対象者は男性630人、女性618人の計1248人。地区や中学校区単位を基本に組織した実行委員会が、地域特性も生かした式典や祝賀会などを企画した。
このうち、鼎地区の式典には、対象165人のうち116人が出席。主催者を代表して鼎公民館の林知先館長は「新しい時代をつくるのは皆さん。自分らしい花を大きく咲かせてほしい」と呼び掛けた。来賓の牧野光朗市長もリニア時代を展望し「先頭に立って(自主自立を意味する)ムトスの精神を発揮していってほしい」とエールを送った。
新成人を代表し、市内の会社員、渡邉恭朝(つかさ)さんは周囲の支えに感謝し「今後もさまざまな困難はあろうが、恩を忘れず、一歩一歩前に進みたい。成人としての自覚と責任を持ち、活気あるまちづくりに貢献したい」と決意新た。
名古屋市の大学生、市瀬愛美(まなみ)さんも「今日を大きな節目に、責任ある大人として生きることを胸に刻み、夢や目標に進みたい。困難にぶつかることもあろうが、決意を胸に乗り越えていくことを誓う」と宣言した。
式典前後には、旧友との再会を喜び、盛んに記念撮影に臨む光景が広がった。仲間9人でそろいの和装で臨んだラフティングガイド、井坪希夢(のぞむ)さんは「大好きな仲間と一生に一度の成人式に臨めることがうれしい。今後も挑戦を重ねたい」、保育士を目指す短大生の濱島未来さんは「しっかりとした社会人になれるよう頑張りたい」とそれぞれ話した。
このほか、市内の各祝賀会場では、小中学校時代の担任教諭からのインタビューや保護者からの一言メッセージ、地域の伝統芸能など多彩な催しで新成人らの門出を喜び合った。
対象者148人中93人が出席した伊賀良地区では、上殿岡獅子舞保存会が伝統の舞を披露。記念撮影後は小学校の恩師を交え、クラスごとの立食パーティーがあり、新成人らが近況を語り合うとともに、恩師が持参した思い出の品々を見ながら当時を懐かしんでいた。
◎写真説明:笑顔で記念撮影に臨む新成人ら(鼎地区で)