24日に開幕する東京パラリンピックに向けた聖火フェスティバルで、飯田下伊那14市町村の合同採火式「南信州の火」が12日、飯田市の飯田勤労者福祉センター(さんとぴあ飯田)であった。パワーチェアーフットボール(電動車いすサッカー)元日本代表の飯島洸洋さん(32)=龍江=と南信州広域連合長の佐藤健飯田市長が竹灯籠の火をランタンに移した。
会場では約180本の竹灯籠を並べて点灯し、長さ20~30センチの竹灯ろうで「結」の文字も。竹灯籠には地元の福祉施設入所者が描いた絵を飾り付けた。
あいさつに立った佐藤連合長は「オリンピックは私たちに感動を与えてくれた。パラリンピックでも大きな感動を」と期待の言葉。周囲を幻想的に照らす結の文字に触れると「互いに助け合って作っていく結の心はパラリンピックの精神に通じる。共生社会が1歩でも進むように」との思いを込めた。
日本代表として国際大会への出場経験もある飯島さんは「中学時代は引きこもりがちで、人生を悲観する日々だった自分を変えてくれたのがパワーチェアーフットボール。目標や夢、希望を与えてくれた」と振り返り、障害を持つ人が当たり前に過ごせる社会、互いを尊重し合える社会になることを願うと「これからも精いっぱい生きていく」と前を見た。
ギリシャで採火する五輪とは異なり、パラリンピックは聖火フェスティバルとして全国各地で火をおこす採火式を行う。
聖火フェスティバルは12~16日にかけて全国各地で実施。県内は10広域圏ごとに14日まで採火し、16日に長野市のセントラルスクエアに集まって1つになる。
◎写真説明:竹灯ろうの火をランタンに移す佐藤連合長と飯島さん