松川高校ボランティア部などによる3・11追悼セレモニーが、東日本大震災から10年目を迎えた11日、松川町上片桐の子どもカフェHugであった。同部の生徒や住民ら50人ほどが集まり、多くの犠牲者を出した震災や直後から続く支援交流活動を振り返り、いまなお困難を抱える被災者に思いを寄せた。
セレモニーで部員らは「10年の月日が流れたが、変わらずに被災地の方に寄り添い続け、活動を後輩たちへ引き継いでいきたい」と思いを伝えた。犠牲者に1分間の黙祷を捧げ、支援交流活動に参加した町職員や住民を交えて語り合った。
松川高校生と町民らは町内のリンゴを被災地へ送る活動、避難所のペチュニアの花を育てて東北に里帰りする活動、町役場とともに被災地を訪問して震災当時の状況や防災を学ぶ活動などを行ってきた。
集まった子どもたちとともにメッセージをつけたバルーンを飛ばし、最後に復興支援ソング「花は咲く」や「ふるさと」を歌った。
10年前に福島県南相馬市から松川町に避難し、現在は町役場で危機管理係を務める原涼太さん(24)は「10年も支援を続けてもらっていることに被災者の一人として感謝している。3月11日に震災を思い出し、防災を考える日にしてもらえたら」と語った。
町公民館の山崎隆館長は「高校生が地域の皆と一緒に活動してくれたことをありがたく思う。これからも続けてほしい」とエールを送った。
同部前部長の大平一真さん(18)は「先輩方から脈々と受け継いできた活動。地域の方の協力で続けられてこられた。我々3年生は次の道に進むが自分たちの中で活動を続けたい」と話した。
◎写真説明:メッセージバルーンを飛ばす参加者