飯田市大瀬木の梅ケ久保かたくりの里で、一面にカタクリの花が見頃を迎えている。管理する梅ケ久保自然愛護会(中上正晴会長)によると例年より1週間から10日ほど早い状況だ。大瀬木区主催のイベントは開催しないが、3月29日から愛護会独自で観賞会を開いている。
同所はかつてカラマツの森林だったが木を伐採し、地面に日が当たるようになるとカタクリやササユリなどが咲くようになった。2000年から周辺住民らで愛護会をつくり、保護活動を続けてきた。現在では敷地内に約3万株とみられるカタクリが咲き乱れる一大群生地として県内外から花見客が訪れるようになった。
今年は3月20日ごろに開花。気温の高い日が続き30日現在では全体で見頃を迎えた。感染防止のため、敷地内の遊歩道を一方通行にして密集を避けるよう呼び掛けている。
中上会長(73)は「これだけ花が早い年はいままでなかった。4月中旬ごろまでは楽しめそうだ」と話した。同所では初夏にササユリ、秋には紅葉も楽しめるという。
例年は大瀬木区主催で「かたくり祭」を開催し、手打ちそばや五平餅などを販売していたが、今年は行わない。
◎写真説明:梅ケ久保に咲き乱れるカタクリ